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【持論アニメコラム】ミリタリーアニメが成功できる条件とは ④戦艦12隻を常識にした「艦これ」と『蒼き鋼のアルペジオ』

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①ストライクウィッチーズが起こした変化

②苦戦する“美少女×ガンアクション”

③まさかの王道で成功に至った『ガールズ&パンツァー』

第1話「航路を持つ者」

第1話「航路を持つ者」

  • メディア: Prime Video
 

開拓者としての『ストライクウィッチーズ』、混迷期のガンアクションアニメ、頂点としての『ガールズ&パンツァー』に続いて、今回はアニメとはちょっと離れますが、アニメ界に無視できない影響を与えた「艦隊これくしょん -艦これ-」と同時期にアニメが放送された『蒼き鋼のアルペジオ』を取り上げます。

 

2012年末から翌2013年春にかけて盛り上がりを見せた『ガールズ&パンツァー』ですが、その後も聖地巡礼などで人気が継続的に拡大していき、2014年夏のOVA、2015秋の劇場版へとつながっていきます。

 

そんなガルパンの盛り上がりとまるで連動するかのように、ネットやSNSではとあるゲームが話題となっていきました。

PCブラウザゲーム艦隊これくしょん -艦これ-」です。

 

偶然にもガルパンの最終回が放送された2013年春にサービスを開始した「艦これ」は口コミを通じて大きく注目を集め、2013年の終わり頃には120万以上のユーザーが登録していました。

 

「艦これ」をざっくり説明すると、太平洋戦争時の日本海軍の軍艦が美少女キャラになったいわゆる”擬人化“育成シミュレーションゲームです。

 

当時はまだ“擬人化”が成長中のジャンルだったことに加えて、セリフやキャラデザインに込められたこだわりの深さに軍事マニアが飛びつき、それがライトなオタク層にも広がりました。

 

ライト層にも広がった理由はおそらく当時の「艦これ」にほとんど設定らしい設定がなかったからです。

 

艦これにはおそらく今でも、明確な物語や世界観設定、敵の内情などで正式なものはほぼありません。

 

なのでユーザーの多くはゲームの進行以上に各キャラクターのデザインやセリフの元ネタを調べることを心血を注ぐことになりました。

 

この熱中具合は多くのアニメファンに伝播し、いつの間にか旧海軍の戦艦や空母、巡洋艦の名前が常識となっていきました。

 

そんな「艦これ」ファンが急拡大する中、偶然にも2013年秋に放送が始まったのが『蒼き鋼のアルペジオ』でした。

 

こちらも日本海軍の軍艦が美少女キャラになった”擬人化“作品でしたが、それが艦これブーム真っ只中のタイミングで放送できたことは本当に奇跡的だったと断言できます。

 

『蒼き鋼のアルペジオ』に関してはガルパンや艦これと違い、ミリタリーアニメ特有の細かい世界観設定や物語がしっかりとあるので、決してシンプルとはいえません。

 

しかし、艦これ人口が急拡大中だったため、ほぼ同ジャンルのアルペジオに多くのファンが食いつき、登場キャラの元ネタ、つまり軍艦の知識を把握していたので『蒼き鋼のアルペジオ』を多いに楽しめることができたのです。

 

もし一年早く放送されていたら、『蒼き鋼のアルペジオ』の反響は全く違ったものになったでしょう。

 

ちなみに艦これと初めてコラボした作品も『蒼き鋼のアルペジオ』で、伊401が実装されたのもそのタイミングでした。

 

「クオリティ・こだわり・プロモーション」の3つのポイントのうち、プロモーションが相互扶助する形で強化された「艦これ」と『蒼き鋼のアルペジオ』は当時本格化しつつあった“擬人化”という「真新しさ」によって大きく注目され、ジャンルを超えてミリタリープラモの救世主にもなります。

 

戦車と軍艦がテーマのガルパンと艦これが同時多発的にブームとなった2013年はミリタリーアニメにとって大きな転換期となりました。

 

次回はそんなガルパン・艦これ後のミリタリーアニメについて触れます。

 

続く……。

 

【ミリタリーアニメが成功できる条件とは】

①ストライクウィッチーズが起こした変化

②苦戦する“美少女×ガンアクション”

③まさかの王道で成功に至った『ガールズ&パンツァー』

④戦艦12隻を常識にした「艦これ」と『蒼き鋼のアルペジオ』

⑤「ガルパン」、「艦これ」後のミリタリーアニメの戦い

⑥ミリタリーアニメが「ストライクウィッチーズ」で始まり「ガルパン」で終わるかはこれから次第