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前回、前々回とミリタリーアニメの大きな転換期を生んだ『ガールズ&パンツァー』と「艦これ」について触れました。
今週はこの2作がブームとなって以降、個人的に注目に値するミリタリーアニメを独断と偏見込みでピックアップします。
~Wikipedia抜粋~
日本列島の大半が海中に沈んだパラレルワールドを舞台とし、海上の保安と防衛を担う職業であるブルーマーメイドになることを目指してその養成学校に入学し、教育艦「晴風(はれかぜ)」に乗艦した女子生徒たちのさまざまな活躍を描く。
~抜粋終了~
ざっくり言えば“艦艇版ガルパン”。スタッフにもガルパン関係者が散見される点やCGフル活用の戦闘描写、地元押し(※横須賀)などガルパンの影響を強く受けた作品です。
ガルパンと異なる点は、物語にちょっぴりSF要素が取り入れられ、戦闘がいちおうガチであること。
基本的に擬人化が主体だった『蒼き鋼のアルペジオ』やアニメ版『艦これ』に比べて、艦艇の戦闘描写にこだわっているので、軍事オタクも満足行くクオリティのミリタリーアニメです。
省力化されてますが、実際の軍艦の役割分担に沿ったキャラクターたちの設定や、やり取りも注目ポイントです。
OVAに続き劇場版も今年公開されているので、ガルパン程ではないが、確かな人気を得ています。
『荒野のコトブキ飛行隊』
~Wikipedia抜粋~
荒野の続く世界イジツで、人々は限りある地下資源と、空路による交易で生活している。この物語は空路による物資輸送を生業とするオウニ商会と、物資を狙う空賊から飛行船を守る女の子だけの凄腕パイロットだけで組織された用心棒集団「コトブキ飛行隊」の活動を描いた物語
~抜粋終了~
日本軍レシプロ航空機ミリタリーというマニアックの極地に挑んだ意欲作。舞台設定も近現代日本でなく、アメリカ西部劇をイメージした異世界というレアシチュエーション。
ダイナミックなレシプロ機の動きと挙動を思う存分描くため、メインキャラクターがほぼCGが描かれるというこだわり。
もはや軍事オタクしか見るなと割り切った、ガルパンとは別ベクトルでミリタリーアニメの頂点に立つ作品です。
コアなファンには人気があると言えますが、今後の展開があるのかは未知数。
『戦翼のシグルドリーヴァ』
~Wikipedia抜粋~
現代日本を舞台に、地球上に現れたあらゆる生命の敵性存在「ピラー」と、第二次世界大戦前後の実在する世界各国の航空機を模した「英霊機」に乗って戦う「戦乙女」の姿を描く空戦ファンタジー
~抜粋終了~
ぶっちゃけ個人的に途中で視聴するのを止めたこちらの作品ですが、実はこれまでのミリタリーアニメとは異なる仕上がりとなっているためあえて紹介します。
それは“戦死”を描いている点です。
これまでこの連載で紹介してきたミリタリーアニメですが、実はキャラクターあるいはその関係者が戦死シーンはまったく描かれていないのです。
そもそも美少女アニメで死亡シーンがあること自体レアなのて当たり前ではありますが、シグルリはそのタブーを破り、物語としてはよりリアルな戦記モノを目指したのかもしれません。
ストライクウィッチーズやガルパンで固定化しつつあるミリタリーアニメの設定に一石を投じたという意味では、シグルリは評価できます。
ただし、北欧神話という馴染みの薄い設定に、意味不明なギャグシーンあったり、なによりミリタリー描写が陳腐なので全体的な仕上がりはかなりイマイチでした。
これまでのミリタリーアニメの特徴であった「真新しさ」がガルパンのヒットや艦これのブームによって「お馴染み」になった結果ミリタリーアニメの価値が相対的に下がり、それを取り戻そうとした結果が、よりマニアックを目指した『荒野のコトブキ飛行隊』やタブーに挑んだ『戦翼のシグルドリーヴァ』と言えるでしょう。
次回はそろそろこの連載のまとめに入りたいと思います。
続く……。
【ミリタリーアニメが成功できる条件とは】
⑥ミリタリーアニメが「ストライクウィッチーズ」で始まり「ガルパン」で終わるかはこれから次第