TAMAHACHI08 -official blog-(※旧・大西洋少年ジャンプ総合研究所)

AI召喚術士としての活動拠点&少年ジャンプやアニメ・マンガ等への個人的な意見・感想を発信


【持論アニメコラム】二次元と炎上 ①「鬼滅の刃 遊郭編」と『おちこぼれフルーツタルト』の騒動はなぜ起きたのか?



 

 「シン・エヴァンゲリオン」の大ヒットや話題沸騰の『PUIPUIモルカー』、「パワプロ」初アニメ化など、アニメ界のポジティブなニュースが流れる一方、炎上や反対運動のような妙に引っかかる話題も散見されるので、今回はそんなマンガ・アニメの炎上騒動について連載で語ってみたいと思います。

 

第1回では、炎上騒動の対象となったマンガ・アニメの内容云々ではなく、「公」と二次元作品の関係について触れます。

 

マンガ・アニメがいわゆる“炎上”する際、多くは作品のファンが発端となり、「イメージと違う」「クオリティに納得いかない」「癒着の臭いがする」という作品を愛するが故の“失望感”から生じるのがほとんどです。

そこに大小の野次馬を含めた人が意見を発信して収拾がつかなくなった状態が“炎上”となるわけですが、近年増えているのが個人の“正義感”から生じる炎上騒動です。

 

この場合、作品に対する愛などはとくに関係ありません。自分視点から作品が良いか悪いかを判断し、悪いと判断したら“正義感”からそれを封殺するために執拗に攻撃を繰り返し“炎上”を引き起こそうとするわけです。

 

この“正義感”による炎上の攻撃対象となりやすいのが、「公」となった二次元作品です。

 

“「公」になる”とは

①シンプルに広く一般に知れ渡る

②公的機関からお墨付きをもらう

のいずれかに当てはまる場合と定義します。

 

「公」になると、より多くの人に認知されると同時に、様々な個人の“正義感”と相対することになり、その分同じ“正義感”をもった集団に狙われやすくなります。

 

ここで、タイトルに載せた「鬼滅の刃 遊郭編」と『おちこぼれフルーツタルト』について考えてみましょう。

 

鬼滅の刃』は皆さんご存じの通り、老若男女問わず今最も日本で知られたマンガ・アニメ作品となりました。すでに数多くの企業とコラボ商品を開発し、完全に①型の「公」な作品になっています。

 

それが「遊郭」という誤解も含めて世間的にマイナスイメージが強いテーマとつながった結果、鬼滅に対する攻撃が生まれました。

 

おそらく鬼滅がここまで世間に浸透せず、イチ深夜アニメのままならこんな騒動は起こらなかったでしょう。

 

全体的な視聴者数が圧倒的に増えた結果、「遊郭」を悪とした“正義感”の人々が入り込み、今回の騒動へと発展したのと思われます。

 

一方『おちこぼれフルーツタルト』については、個人的には未視聴なのであまり詳細は存じあげませんが、ざっくり聞いたところだと、作中の舞台となった小金井市とコラボしたことに一部団体が抗議活動を行ったようです。

 

小金井市という行政機関とコラボしたことで、『おちこぼれフルーツタルト』は②型の「公」になったわけです。

 

それに対して抗議団体は「行政が関わる作品として相応しくない」という“正義感”から行動を起こしたわけですが、こちらもコラボがなければスルーされていたことは容易に想像できます。

 

「公」になることでそれまで目を向けることのなかった人々が注目し、自分視点で作品の良し悪しを判断するところまでは問題ありませんが、その次の段階で攻撃を始めてしまうの人が少なからずいます。

しかも、悪気どころか“正義感”から行動を起こすのが厄介で、ぶっちゃけ解決は望めません。

 

じゃあ「公」になることを避ければいいのかといっても、マンガ・アニメも商売なので売れなければ困るのでそうはいけません。

 

「公」になることはマンガ・アニメにとっては目指すべき目標であると同時に少なからずリスクでもあるのです。

 

……続く。