TAMAHACHI08 -official blog-(※旧・大西洋少年ジャンプ総合研究所)

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【持論アニメコラム】かつてポケモン・デジモンなどと並び称されたモンスター作品「モンスターファーム」



 

世紀末の1990年代後半、日本は”モンスター”に侵略された時代だった。

 

1996年、ゲームボーイソフトとして発売日された「ポケットモンスター」はその翌年の1997年にはアニメ放送が開始され、今なお続く日本を代表するコンテンツとして君臨している。

 

一方、当時の男の子たちにとって「ポケモン」と同等かそれ以上に人気だったのが「デジタルモンスター」、通称“デジモン”である。

元々、男の子版「たまごっち」として開発された「デジモン」は、その後1999年に放送開始したアニメ『デジモンアドベンチャー』によって人気を博し、平成男子にとっては強烈に思い出深い作品となった。

 

さらにほぼ同時期に『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』も放送されるなど、90年末から2000年代初めはゲーム・アニメ界に”モンスターブーム”が巻き起こっていたといえる。

 

しかし、近年良くも悪くも再始動した「デジモン」も含め、上記3作の他にもう1つ今では忘れられた“モンスター”作品が当時存在したのをご存知もしくは覚えているだろうか?

それがテクモ(現・コーエーテクモ)の育成シミュレーションゲームが原作の『モンスターファーム』である。

 

 ざっくり説明すると「モンスターファーム」は、1997年にプレイステーション用ソフトとして発売された、主人公が“ブリーダー”としてモンスターを育てて大会優勝を目指すという内容のゲームで、育成するモンスターを市販のCDをプレステに読み込ませて誕生させるという画期的なシステムを取り入れたことで大きな話題となった。

ポケモンなどと比べ冒険よりも育成がメインのゲームで、見方によってはちょうどポケモンデジモンの中間を狙った作品ともいえた。

 

また、2D低画質の携帯ゲームが中心だった「ポケモン」や「デジモン」、マンガ原作・カードゲーム主体の「遊戯王」と違い、プレステのリアル(※当時)な3D画面でプレイするこのゲームはプレステユーザーの間で大人気となり、トレンドマンガ「こち亀」でもネタにされるほどの知名度を誇っていた。

 

そんな「モンスターファーム」も他のモンスター作品と同様に1999年から2000年にかけてアニメが放送された。

そのストーリーは育成中心の原作ゲームと異なり、主人公が仲間のモンスターと共に魔王軍に戦いを挑むというややシリアスなものだったが、これまた他のライバル作品とは違う王道ファンタジー作品として人気を集めた。

ちなみに主人公ゲンキがゲームの世界に召還されるという意味では、現在の“異世界モノ”に通じるものがある。

 

個人的な話だが、アメリカに住んでいた当時、英語吹替の「モンスターファーム」はポケモンデジモン遊戯王とともに当然のごとく放送されていて「モッチ砲」も[Mochi Canon]などと訳されて印象に残っている。

 

そんな一時はモンスター作品の一角を担っていた「モンスターファーム」だが、第2期の放送は途中で打ち切り、原作ゲームの売れ行きも伸び悩むなどして2000年代中頃には実質に本格的な活動を停止。

 

これはポケモン以外の3作にほぼ共通する現象だが、アニメシリーズの放送期間がほぼ1年半だった「モンスターファーム」は余計に人々の記憶から忘れられるスピードが早く、ほぼ幻となった。

 

と自分は感じていたのだが、実はここ2~3年「モンスターファーム」が復活の兆しを見せている。アニメ版が配信サイトで公開され、原作ゲームも移植版が登場するなど、昨今の90年代生まれをターゲットにした市場動向がモンスターファームにも光を当てつつある。

つまり、売れ行きと運次第では何十年ぶりの新展開の可能性がある。

 

惨劇を起こしたデジモンの新展開のようにならないとは思うが、良い形での再来をぜひとも期待したい。