※この記事は『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のネタバレを含みます。これから鑑賞予定の方は絶対に閲覧しないでください。鑑賞後に暇な時間がありましたら、ご自由にどうぞ。
いきなり個人的な話ながら、先日、大変ありがたいことに超話題沸騰の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(吹き替え版)の先行上映会に参加することが叶いました。
全米公開直後から超絶ヒットとなり、連日歴代の興行収入記録更新のニュースが流れるなど、4月28日(金)の日本公開前から注目されている同作の感想をまず一言で表すと"期待値達成100%"です。
元々大人気ゲームの劇場版(※個人的にもファン)ということで期待値が高まっていたことに加えて、全世界で大ヒットというニュースが連日流れたことで否応なしに期待が膨らんでいましたが、「マリオブラザーズ・ムービー」はその期待にパーフェクトに答えてくれました。
"ブルックリンの配管工"という何となく聞いたことがあるマリオブラザーズのゲームの初期設定を踏襲しつつ、どのような経緯で彼らがキノコ王国の世界に現れ、クッパと戦うことになったのか、というストーリーが非常に見事にシンプルかつスムーズに描かれていました。
ゲームファンにとっては当たり前になっていた「マリオ vs クッパ」という構図を、映画化にあたって初心者にも理解・納得しやすく、オールドファンにも満足できる形に仕上げたことが、この大ヒットの最大要因だと個人的に感じています。
もちろん、ファンが思わず声を上げてしまうようなゲーム要素(例:トゲゾーこうら、巨大ウツボ)も見どころですが、単純にマリオファンを満足させるだけなら、どれか有名タイトルのストーリーを踏襲するだけで良かったはずです。しかし、今作で「マリオ vs クッパ」の原点を分かりやすく観客に理解させることで、任天堂とILLUMINATIONの両社がおそらく目指したのは単なる"マリオのゲームの映画化"ではなく、"劇場版マリオシリーズの創造"だったと自分は考えています。
なぜなら「マリオブラザーズ・ムービー」には単なる今作の続編・パート2の制作だけでなく、随所にスピンオフやサイドストーリーの映画化を予感させる要素が、まるで”おもちゃ箱”のように詰まっていたからです。
エンドロール後に次回作で「ヨッシー」が登場することを匂わせているほか、「ドンキーコング」以外に「ディディーコング」をはじめ『ドンキーコング64』のキャラクターが現れ、幼少期の思い出のシーンで「ベビィマリオ」「ベビィルイージ」も登場。『ルイージマンション』のマリオを呼ぶシーンに似た演出があり、「ピーチ」がスマブラ級にファイティングスピリッツに溢れているなど、有名タイトルをベースにしたスピンオフを妄想すれば、きりがないほどのワクワクがこの1作に詰まっていました。
もしこうしたスピンオフやサイドストーリーへの妄想が現実化するのであれば、それはまさしく任天堂とILLUMINATIONによる"マリオ版アベンジャーズ"となるでしょう。
いや、むしろアベンジャーズよりも凄いことになるかもしれません。一部を除いて知名度の高くないキャラクターやほぼ初登場の作品が意外と多いアベンジャーズシリーズと比べ、マリオシリーズのキャラクターや原作タイトルは知名度の面では明らかに勝っています。
最近では、新ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』も「キングコング」などを含めた『モンスター・ヴァース』シリーズとしてヒットしましたが、やはり世界的な知名度やファミリー向けという視点ではマリオシリーズに軍配が上がります。
そんな創造段階でも、大いに期待できる劇場版「マリオシリーズ」が今回の「マリオブラザーズ・ムービー」で、クオリティと話題性の両面で圧倒的に信頼できることが証明されたことを考えれば、任天堂やマリオは2020年代後半の映画界で間違いなくディズニー帝国を超える覇権を手にすることになると思います。
というわけで皆さまぜひ、1回観て終わりではなく、吹き替え版・字幕スーパー版・3D版・4DX版と何回も映画を見て未来のマリオシリーズの覇権を支援しましょうwww。