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ストライクウィッチーズ 公式コミックアラカルト ~いっしょにできること~ (角川コミックス・エース)
- 作者:コンプエース編集部,島田フミカネ&Projekt Kagonish
- 発売日: 2013/03/12
- メディア: Kindle版
以前書いた連載記事を再編します……。
前回の記事で“公”になることが知名度の向上とともに炎上騒動へのリスクともなることを軽く説明しました
今回は少し前に起きた、似たような理由による2つの炎上騒動についてお話します。
およそ二年前、こんな話題が世間をちょっとだけ騒がしました。
要は自衛隊募集ポスターにミリタリーアニメとしてファンの間ではお馴染みの「ストライクウィッチーズ」が使われていただけのお話。本来はそれで終わるはずでした。
しかし、作品の根本的な世界観である「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」に慣れていたストライクウィッチーズファンとすでに度々コラボ実施済みの自衛隊は、この世界観が世間とは明らかにズレていることを失念していました。
この世間のズレを忘れたまま自衛隊のポスターとして“公”になったことが一部の人々の“正義感”に触れ、ネット上やワイドショーでの論争、つまりは炎上騒動へと至ってしまったわけです。
ちなみにストライクウィッチーズのファンとして、自分自身は「これはしょうがない」という認識でした。
「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」というお約束が通じる範囲で動いていたのが、公的機関のポスターとして“公”になったら、こうなるのはある意味避けられません。
炎上騒動とは別に、これは仲間内の閉鎖的なコミュニティーと一般世間のコミュニティーの認識の差を改めて感じさせる出来事でもありました。
……ややオーバーですが、
また、さらにさかのぼることおよそ五年前にはこんな騒動がありました。
自分自身は『のうりん』については詳しくないのですが、要点は巨乳キャラをメインにしたポスターを出したら世間から批判を受けたということ。
これについては前回取り上げた『おちこぼれフルーツタルト』の騒動に近いですね。
「公的機関が協力する作品としては相応しくない」という“正義感”が元になっている点は同じですが、「のうりん」および「おちこぼれフルーツタルト」と、「ストライクウィッチーズ」の騒動では大きく違う点があります。
というのも、のうりんとフルーツタルトには、ストライクウィッチーズ程の世間からズレたお約束は存在していません。巨乳キャラがいたり、お風呂シーンがあったぐらいの話で、それ自体は他のアニメなどでこれまで幾度となくスルーされていた要素です。
もちろん“公”になったことで世間の目に触れたからとも説明できますが、元々お約束の範囲から出たら燃えそうだったストライクウィッチーズの世界観とは、元の火種がはるかに小さいです。
同じ“炎上騒動”でも明らかに予兆の余地があるパターンと思いがけないパターンがあり、その炎上レベルもボヤ騒ぎから山火事規模までさまざまです。これを一緒くたにすることは“炎上騒動”を理解する上で注意するべきことです。
……多分続く。