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【今週の少年ジャンプ番外編】祝!第1回人気投票王者、『狂乱』のナプタークの魅力



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今週月曜発売の少年ジャンプ2022年1号において、『破壊神マグちゃん』第1回人気投票の結果が発表されました。

応募総数68,819票の中、主人公のマグ=メヌエク(マグちゃん)14,960票、ヒロインの宮薙流々6,280票を抑え、見事王者に輝いたのはなんとナプタークでした。その票数は19,362票と全体の28.1%におよび、マグちゃんの21.7%と合わせて2人の邪神でほぼ半分の票を独占しました。

この票数は、偶然にも同じ号で発表された『僕のヒーローアカデミア』第7回人気投票のトップである爆豪勝己(13,869票)でさえも上回りました。

 

今回はそんな『狂乱』のナプターク、ヒロアカの主人公やライバルをも上回る人気を獲得した恐るべき邪神の魅力についてざっくり解説したいと思います。

 

■『狂乱』のナプタークの魅力①

上位存在の中の“やられ役”、鬱陶しいけど憎めない愛嬌のあるキャラ

マンガ内においてナプタークはいわゆる“道化”や“お調子者”、“やられる側”としての役が多数を占め、「無表情・圧倒的強者・常識外れ」の主人公マグちゃんに対して、その逆ともいえる言動が目立ちます。すなわち「喜怒哀楽が激しく、小物感が拭えず、世間知らずながら人並みの常識を備えている」ような描写が多いのです。デザイン面でも、口が見えておらず常にギョロ目状態のマグちゃんに対して、ナプタークは目が毎回は描かれておらず、口を使った表情豊かな姿が印象的です。

初登場時も、いきなり”ふはははは!!!”と大声笑ったと思ったら、自分のみじめ姿を顧みて、わなわなと震えて落ち込んだりと、その様はあまり邪神らしくはありません。肝心の実力においても、他者を意のままに操る「狂乱」の力は弱体化。マグちゃんの“破滅の眼光”に一蹴されたり、操ったはずのヤドカリたちに火刑に処されるなど散々な目にあってます。

しかしこうした弱々しい面は、同情も含め逆にナプタークをとても親しみやすいキャラに仕上げています。さらにふじさわ食堂で働き始めたことをキッカケに料理に目覚めて、買い物やごみ捨ても当然のごとくこなすなど、どんどん人間らしさに磨きがかかったことでその親しみやすさがさらに上昇。結果的にそれがナプタークをどこか愛嬌のあるキャラクターへと変貌させました。

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■『狂乱』のナプタークの魅力②

好敵手と書いて”とも”と読む、破壊神と対等に張り合うその気概

主人公である『破壊神』マグ=メヌエクのライバルキャラクターとして連載第3話から登場しましたが、先述したように実力においてはマグちゃんには敵いません。第五柱という序列や、“神殿をたびたび巻きぞえで破壊されている”という本人の証言から、どうやらそれは弱体化前からある程度変わらないそう。

しかし、第四柱のウーネラスは警戒、第三柱のミュスカーは崇拝するなど、同じ混沌の神々でも圧倒的な力のマグちゃんを前に下手に敵対しないことを選んでいるのに対して、ナプタークは散々な目にあった過去があるにもかかわらず、終始ライバル心をむき出しにしています。

そして、どうやらマグちゃん自身、しつこく自分に挑むナプタークのことをなんだかんだ認めているようで、勝負を求められば基本的に受けて立つ姿勢を見せています。おそらく圧倒的な「破滅」の力を前に、同胞の混沌の神を含めて多くの者が下手になるなか、対等に挑もうとしつづけるナプタークは、ある種特別な存在だと感じているのだと思います。

もちろんお互いにそんな意図はなく、偶然そんな関係になっただけだと思いますが、だからこそ後述するミュスカー戦のような展開になったのでしょう。

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『狂乱』のナプタークの魅力③

たとえ毒気を抜かれても邪神は邪神、『運命』も狂わすのその実力

人気投票1位になった最大の理由といえるのが、第51話のミュスカー戦でのナプタークの奮闘っぷり。人気投票期間中の7月末にジャンプ本誌に掲載されたこの話は、破壊神マグちゃんが始まって以来のシリアス編で、ミュスカーの策略によりマグちゃんは最大のピンチを迎えていました。

そんなシリアス編においても、当初ナプタークは深刻な事態に気づかず、とりあえず1人で店を開けるという的外れな行動をとります。

しかし、そこへミュスカーとの戦いで消耗したマグちゃんが現れ、供物を求めるとともにめずらしく“頼む”と一言付けくわえます。ここでようやく何かしらの異変を察したナプタークはマグちゃんの助けに応じ、ミュスカーと対峙します。

誰もがナプタークに勝ち目はないと思われたその時、ミュスカーの「下等生物(ニンゲン)共の飯事に現をぬかして、永遠にそこで遊んでいればいい」という言葉にナプタークはキレます。

「…飯事とは……聞き捨てならんな…」

「この店を!!!虚仮にするなァ!!!」

「マグ=メヌエクは渡さぬ!!!奴は今、吾輩の客だァ!!!」

こういい放ち、狂乱の咆哮でミュスカーの弱点である聴力をダメージを与える中、あのナレーションが流れます。

“『狂乱』のナプターク 運命を狂わせる恐るべき邪神”

 

この名シーンを含め、第51話はナプタークの魅力が全て詰まった話だといえます。惚けたキャラクターながら、破壊神であるマグちゃんと対等に付き合い、いざとなれば男気も見せる。

ナプタークは、紛れもない畏るべき邪神なのです。

 

以上、ナプタークについて簡単かつ私感で魅力をご紹介してみました。個人的には錬の姉で藤沢家長女、藤沢燐との関係性も大好きで、まだコミックスに載ってませんが、海の家での2人の仕事後のやりとりは読んでてしみじみしました。

 

そんなこんなで長くなりましたが、改めて『狂乱』のナプターク、人気投票第1位おめでとうございます!