TAMAHACHI08 -official blog-(※旧・大西洋少年ジャンプ総合研究所)

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【今週の少年ジャンプ番外編】諸刃の剣である『ONE PIECE FILM RED』「ウタ」の存在



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8月6日(土)公開予定の映画『ONE PIECE FILM RED』について徐々に詳細が明らかになる中、先週大きな話題となったのがREDに登場するキャラクター「ウタ」がワンピースの最重要人物「シャンクス」の"娘"だということ。

REDの物語にシャンクスが大きく関わってくることは、これまでにタイトルやキービジュアル、イメージ映像などで明らかにされてきましたが、「子どもの登場」という重大発表に多くのファンが驚いたようで、ネットでは多くの感想や考察が飛び交いました。

しかし、度々劇場版ワンピースについての持論を展開してきた自分としては、ウタの存在は作品にとって"諸刃の剣"とならないか危惧しています。

 

以前の記事で自分はREDについて、”劇場版ワンピースとして初めて100億円の大台を突破するには、「本編との関係の有無」が大きく関わってくる”と書きました。

日本映画史上最大のヒットとなった『鬼滅の刃 無限列車編』は「原作ストーリーの映像化」。それに続いて興行収入100億円を突破した『劇場版 呪術廻戦 0』は「本編では描かれない新作ストーリー」として多くのファンが"作品を理解する上で見逃せない"と感じて劇場を訪れる形になりました。

一方で、これまでの劇場版ワンピースはいずれも「本編とは無関係のパラレルワールドという枠組からは抜け出せず、“本編”および“公式設定”としてはほとんど扱われていません。「直接的な本編との関連性」がほとんどない劇場版ワンピースは、原作ファンにとって必ずしも見に行かなければならないものではなかったのです。

 

そんな中、今回明らかになったシャンクスの娘ウタの登場は、原作ファンにとっては待ちに待った"劇場版"と"本編"のつながりを感じさせる重大な要素だったのです。

すでに物語のクライマックスにむけて、伏線回収や長年の謎の解明が続いている原作において、今最も関心が高まっているのが何を隠そう「赤髪のシャンクス」の正体です。黒幕説を含め諸説ありますが、その存在は今後の物語のカギを握っていることが確実視されています。今回のウタの存在に驚喜したファンは間違いなく、RED内でシャンクスの正体について一部が明らかになることを期待しているのです。

 

しかし、自分自身もそうした期待をもつ一方で、シャンクスの娘ウタが”本当の娘”なのかどうかちょっと怪しんでいます。なぜなら”血縁上の娘”か”義理の娘”かでウタの重要度が全然違ってきてしまうからです。

 

ウタが”血縁上の本当の娘”であれば、シャンクスの血筋という革新的な部分に何かしら触れ、今後の原作にも関わってくるので、ファンにとっては非常に注目すべき作品としてREDの価値は高まります。

これが”義理の娘”ということになると、ウタはこの劇場版1作だけに存在するぶっちゃけとくに価値のない単なるゲストキャラに終わってしまう可能性が非常に高いのです。前作の『ONE PIECE STAMPEDE』の悪役であるダグラス・バレットがロジャー海賊団の一員とされながら、実際は本編に登場しない映画オリジナルキャラに止まっているのと同様、ウタも「シャンクス名を借りた一発屋オリキャラ」となってしまいます。

この1~2週間の反応を見る限り、後者の場合だったらファンの失望感は相当なものになります。

「こんなに期待させておいて、結局本編と関係ないじゃないか」「とくに見る必要はない」「シャンクスの娘って言う意味あった?」

こんな反応が返ってきそうです。

 

もちろん、いち劇場版作品としてはスタンピード以上に過去最高レベルになりそうな予感はしてます。過去作の欠点である「画一化したクライマックス」は前作で解消され、前作の公開以降本編で活躍した麦わらの一味以外のキャラクターの動きも期待できるので、そこは期待しています。

ですがやはり数字的な意味での大成功、「2012年公開『ONE PIECE FILM Z』の68.7億円を超えるシリーズ歴代最高の興行収入」や「劇場版ワンピース初の興行収入100億円突破」を目指すなら「直接的な本編との関連性」は必須事項で、そうなると"シャンクスの娘とされるウタ"の正体はREDの行方を大きく左右します。

 

ファンの期待を一挙に高めた一方、現時点ではその期待を裏切る存在にもなりかねないという意味で「ウタ」は”諸刃の剣”といえるのです。