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【今週の少年ジャンプ番外編】劇場版ワンピースが次回作あたりで最高傑作となりそうな理由④



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【今週の少年ジャンプ番外編】劇場版ワンピースが次回作あたりで最高傑作となりそうな理由①

【今週の少年ジャンプ番外編】劇場版ワンピースが次回作あたりで最高傑作となりそうな理由②

【今週の少年ジャンプ番外編】劇場版ワンピースが次回作あたりで最高傑作となりそうな理由③

前回までで劇場版ワンピースの概略や尾田栄一郎先生製作総指揮による躍進、『ONE PIECE FILM GOLD』(2016)と『ONE PIECE STAMPEDE』(2019)で見られた大きな変化について触れてきました。

だいぶ長くなりましたが、今回でこの連載も一区切りです。

 

改めて振り返ると、劇場版ワンピースは2000年から2009年までは「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」「ポケットモンスター」、「名探偵コナン」などの人気テレビアニメシリーズと同様に毎年新作映画が公開されていました。

 

しかし、「適キャラ(3人)に対してルフィ・ゾロ・サンジが個別に戦う」というパターンがほぼ踏襲され、本編(原作およびTVアニメ)との関わりもまったくない物語が続いたこともあり、その興行収入は右肩下がりでした。

そんな状況の中、尾田栄一郎が製作総指揮として初めて本格的に制作に関わった2009年公開の第10作『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』は過去最高となる48億円を記録し、当時の歴代劇場版ジャンプアニメ最高の興行収入となりました。

 

「金獅子のシキ」という本編にも登場するキャラクターが出現して、部分的に外伝的な価値が生まれたことが多くのワンピースを引きつけ、続く2012年公開の『ONE PIECE FILM Z』は、原作の「新世界編」後初の劇場版ということもあって記録をさらに68.7億円に伸ばしました。

 

2016年の『ONE PIECE FILM GOLD』では「適キャラ(3人)に対してルフィ・ゾロ・サンジが個別に戦う」パターンが変化したことに加えて、サブキャラ以下の扱いながら初めて麦わら海賊団以外の本編のキャラクターたち(サボ、ロブ・ルッチ、スパンダムなど)が登場。

敵キャラのスケールとしては前2作より劣りましたが、その物語の流れなどで明らかな変化が見られました。

 

そして2019年公開『ONE PIECE STAMPEDE』は、興行収入こそ歴代2位の55.5億円となっていますが、内容的には「敵キャラがロジャー海賊団の元船員」「本編人気キャラクター総出演」「麦わら海賊団とライバル海賊団、海軍メンバーが協力する」など圧倒的にスケールが大きくなり、ワンピースファンが大注目するに値する作品に仕上がりました。

 

以上を踏まえて、今後劇場版ワンピースが最高潮を迎えるためには以下のポイントが欠かせません。

■「麦わら海賊団以外のキャラクターたちの活躍」

■「劇場版だけで完結しない敵キャラクター」

■「本編との関連性を伺わせる設定」

 

スタンピードでは、ハンコックやスモーカー、サボに加えて、ローやキッドを含む最悪世代が登場したことで「麦わら海賊団以外のキャラクターたちの活躍」がとくに目白押しでした。一方で最悪の世代に関しては、まだ能力や技名が明らかにされておらず、その役回りや戦う模様は不完全燃焼な印象が否めませんでした。

 

「劇場版だけで完結しない敵キャラクター」という面では、ストロングワールドが「金獅子のシキ」という本編にも名前が出る伝説の海賊が相手になったことで同時はかなり盛り上がりました。

しかし、今現在の視点では本編との整合性はイマイチ取れておらず、色々と歯がゆさを感じてしまいます。

その後の劇場版の敵キャラクターは、本編キャラとゆかりがあるぐらいの設定で、扱いはあくまで映画オリジナルに留まっています。

 

そしてもっとも重要かつハードルの高い「本編との関連性を伺わせる設定」については、ぶっちゃけ”劇場版を「本編」として扱えるようにする”ということです。

 

ご存知の通り『鬼滅の刃 無限列車編』は完全にTVアニメ版に続く本編作品として制作されており、自動的にファンとして決して見逃せなくなっています。

 

本編もしくは公式扱いという意味では、『ドラゴンボール超 ブロリー』や『BORUTO -NARUTO THE MOVIE-』、『銀魂 THE FINAL』なども同様で、こちらの3作はいずれもシリーズ最高成績を上げています。(※BORUTOはその後TVアニメ版で実質リメイクされましたが、公開当時は事実上の本編扱い)

 

ドラえもんのような万人キッズ向け作品を目指さない以上、劇場版アニメとしては“ファンが見逃したくない”あるいは”ファンとして見逃せない”作品に仕上げるのが半ば必須事項となっています。

 

本編と関わりのないパラレルワールド的な劇場版オリジナルはどうしても“見なくて大丈夫”となってしまうので、興行収入的にも見劣りしてしまいます。

 

「本編扱いの劇場版」となれば必然的に「麦わら海賊団以外のキャラクターたちの活躍」や「劇場版だけで完結しない敵キャラクター」も組みこまれて、熱烈やにわかファン問わず劇場に足を運ぶはずです。

 

しかし、事実上日本マンガ界最長の物語と化し、アニメも20年以上通年放送を続いているワンピースに「本編扱いの劇場版」を制作するのはかなり大変かつ壮大なプロジェクトになるでしょう。

 

しかし尾田栄一郎製作総指揮以降、徐々に本編とのつながりが強まったいるのも事実。

「次回作」はちょっと間に合わないかもしれませんが、いずれにしても劇場版ワンピースはまだまだ伸びる可能性を秘めていることは是非とも感じていただきたいです。

 

なんだかんだ長くなりましたが、今回の連載は以上です。(完)

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