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【今週の少年ジャンプ番外編】劇場版ワンピースが次回作あたりで最高傑作となりそうな理由③



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劇場版ワンピースが次回作あたりで最高傑作となりそうな理由②

劇場版ワンピースが次回作あたりで最高傑作となりそうな理由③

劇場版ワンピースが次回作あたりで最高傑作となりそうな理由④

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前回、前々回と劇場版ワンピースの過去の欠点と尾田先生の参画による変化について述べました。今回は最新作『ONE PIECE STAMPEDE』についてです。

 

 ※以下、一部ネタバレを含みます。

 

2019年に公開され、興行収入55.5億円と『ONE PIECE FILM Z』に続く歴代2位を記録したスタンピードですが、内容としては個人的に歴代最高傑作だったと評価しています。

 

その大きな理由としては、スタンピードがこれまで歴代劇場版ワンピースとは大きく異なるスタイルのストーリーだったことと、これまでのワンピースの集大成とも呼べる要素を含んでいたからです。

 

まず前回、前々回のおさらいになりますが、劇場版ワンピースは尾田栄一郎製作総指揮の前後の作品を含め、映画終盤に「適役のキャラクターに対してルフィ・ゾロ・サンジが個別に戦う」というスタイルが基本的に踏襲されていました。

 

一部例外もありますが、歴代トップの興行収入であるフィルムZまではこのスタイルが固定され、それが『ONE PIECE FILM GOLD』(2016)においては、「サンジ・ロビン」「ウソップ・チョッパー・ブルック」「ゾロ、」そして「ルフィ」というは変則的かつ一部はタッグで戦うという形に変化しました。

 

とくに麦わら海賊3強のルフィ、ゾロ、サンジが参加していない場面では、ウソップがフィニッシュを決めるという展開に真新しさを感じました。

 

一方で、より広い視野で見ると「麦わら海賊団がそれぞれ敵を倒す」という物語の形は引き継がれていました。

 

一見当たり前のように聞こえますが、スタンピードはこうした“常識”を超えた展開を生み出します。

すなわち「麦わら海賊団以外のキャラクターと協力する」ということです。

 

2019年8月の映画公開当時、原作はワノ国編、テレビアニメはおそらくホールケーキアイランド編をやっていた頃かと思いますが、すでにワンピースには主役である麦わら海賊団以外にも敵味方含めて多くの人気キャラクターが活躍していました。

 

トラファルガー・ローボア・ハンコック、スモーカー中将やバギーなど、ファンにとってはお馴染みのキャラクターたちですが、実は劇場版作品にはほぼ登場したことがありませんでした。(※バギーは同時上映の短編などでたびたび顔出し)

 

とくに毎年の新作公開を止めた2009年以降の登場キャラクターは劇場版とは無縁の存在とも言えました。

 

基本的にオリジナルキャラクターが活躍する劇場版では当然とも言え、ファンも極端に不満を感じている人は少なかったでしょう。

 

なので『ONE PIECE FILM GOLD』(2016)で隠しキャラのように所々で原作や本編のキャラクターが出てきただけでもそれなりに盛り上がりました。

 

それがスタンピードにおいては隠しどころが、完全にメインキャラクターとして各方面で活躍したのです。

 

ローは序盤に手負いながらルフィたちに情報を伝えたのを始め終始物語に関わり続け、スモーカーもやや不本意ながらルフィたちと共闘。ハンコックはルフィとともに敵であるダグラス・バレットに一撃を与え、バギーは文字通り道化師のように動きつつ、なんだかんだ騒動に巻き込まれるなど、スタンピードは本編キャラクターたちが最も活躍した劇場版となっていました。

 

それまでの「麦わら海賊が敵が倒す」というスタイルは薄れ、スタンピードは言うなれば「ワンピースメンバー総動員」という劇場版にとって新たなるスタイルを確立したのです。

 

……だいぶ予定外ですが、まだ続きます。