TAMAHACHI08 -official blog-(※旧・大西洋少年ジャンプ総合研究所)

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【今週の少年ジャンプ】時代も次元も超えて使える"刀"とそれを許容する読者の存在



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新連載『カグラバチ』(外薗健)

"剣戟バトルアクション"と銘打った連載ということですが、検索したところ、作者は別作品でおおよそ1年前に読み切りを載せてますね。軽く読み返しましたが、刀を使うのは共通しててもそれ以外はだいぶ違う印象でした。

tamahachi08.hatenablog.jp

 

とりあえずは残り2話を待ちつつ、読み切りでは作者の個性や斬新さがあったのに、連載化で微妙にテンプレ感が強まって面白くなくなるパターンにならないことを祈りたいです。

 

昔『バクマン。』内で指摘されていたようにジャンプでは"刀"がよく使われます。

鬼滅の刃』や『BLEACH』といった"刀"が物語の根幹を成すものから、『ONE PIECE』のような敵味方問わず"実力者"が使用するというパターンもあり、バトルマンガとなれば逆に全く使われないケースを探すのが難しいほどです。

「なぜこんなに"刀"が好まれるのか?」と聞かれて真面目に答えるなら「"武器"でありながら"美術品"として認められているほぼ唯一の例であるともに、"武器"としての完成度も世界最高峰だから」となりますが、マンガにおいて"刀"はさらに万能なモノとして扱われます。大小の木々や岩、壁を切断し、魔物・悪霊・怪物等々の悪鬼羅刹を斬り、弾丸や装甲、時には光学兵器や魔術までも弾くなど、マンガ界全般で"刀"はその万能兵器っぷりを見せつけます。

しかしなによりも"刀"がすごいのは、こうした現実的に有り得ない万能感を見せつけても多くの読者が"許容"してしまう点です。

いずれも無根拠ではなく「古来より"破魔"の力を宿るとされてきた」「他国の刀剣と比べ、切れ味や品質が段違い」「実際に弾丸を切れることが実証されている」などの事実が拡張された結果ですが、おそらく日本という国が滅びてもこのマンガと共に発達した"刀"のイメージは残り続けるのではないでしょうか。

そして、先程の例や今回の連載から考えるとその最大の協力者は「少年ジャンプ」なのかもしれません。おそらく"刀"が主眼のマンガはジャンプが存続する限り何度でも現れることでしょう。