TAMAHACHI08 -official blog-(※旧・大西洋少年ジャンプ総合研究所)

AI召喚術士としての活動拠点&少年ジャンプやアニメ・マンガ等への個人的な意見・感想を発信


【今週の少年ジャンプ】意外と険しい道が待ち受けるジャンプにおけるファンタジーマンガ

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『魔々勇々』(林快彦)

ラクロ、マッシュル無きファンタジー系の枠を狙った新連載が登場。作者名を過去記事検索したら、昨年の金未来杯エントリー作家であったことが判明しました。

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でも金未来杯とはまったく関係ない作品、かつ受賞作よりも先に連載、というなかなか珍しいパターン。

たまたまネットニュースで“第1話から好評”的な見出しを見たのですが、少なくとも私の“直感”には引っかからなかったです。いつも通り3話まで様子を見て、細かい感想は新連載予想でやります。

 

“ファンタジー”をどう定義するのかは少し面倒な話になりますが、“剣と魔法の物語”とするなら、もっともジャンプで代表的なファンタジーは『ダイの大冒険』ではないでしょうか。大元の「ドラゴンクエスト」のキャラデザインは鳥山明先生が手がけていることも考えれば、ファンタジーとジャンプにはそれなりに深い縁があります。

じゃあジャンプにはたくさん中世ヨーロッパ的な世界観の“剣と魔法の物語”があるのか?というとそうでもなく、近年の例として上げられる先述のブラクロも、同期ライバルのヒロアカや後輩である呪術廻戦や鬼滅の刃と比べると正直知名度は劣ります……。

 

なにが原因かは、ジャンプ歴15年の今でもこれといった答えを出せていません。少なくとも“ファンタジー”でジャンプで売れるのはそれだけハードルが高く、逆に作家のセンスや腕が試されるということです。

成功作であるブラクロやマッシュルから学ぶか、失敗した数多の打ち切り作を反面教師にするかは漫画家の皆様次第ですが、絵が上手ければヒットするなんてことはまずないです。

 

『テンマクキネマ』嫌いじゃなかったけどな~~。

物語的に盛り上がるのに時間がかかるから“映える”場面が少なかったのが敗因かも。

【今週の少年ジャンプ】大人気のウラで小さな不安も渦巻くワンピース

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ONE PIECE』(4回目)

個人的な経験から海外において『ドラゴンボール』が大人気なのは承知していますが、未だにワンピースが海外で大人気なのか少々疑問を感じている人間でございます。

“海外で日本のアニメやマンガが大人気”というニュースがテレビで流れても、だいたいドラゴンボールや『NARUTO』とかのコスプレが多い印象があるので……。ナルトはとくに“忍者”という海外勢が大好きなテーマなので、少なくとも連載時はナルトのほうが海外人気があったのは確実だと思います。

まあ10年以上日本から出てない生命体が実態を知るには限界がありますから、とりあえずネットフリックスで実写化するぐらいなら、海外でも人気なのでしょう。

 

テレビアニメは最後の通年放送アニメとして奮闘してますが、いかんせんスローテンポ問題は解消が不可能な状況なので、それが熱心な原作ファンやアニメファンの不満を集めているのが心配です。

その分、今後の劇場版の期待値が高まりすぎないか、これまた気になります。場合によっては、ワンピースもついに1クールアニメへの移行を求められるかもしれません。

もう“アニメオリジナル長編ストーリー”は過去の話のようですね。

 

さて、金未来杯のジンクスが当然のごとく発動したところで来週から新連載が3連でスタートします。

現在2020年から綺麗に3年連続で3作品ずつ生き残っていますが、今年はすでに『ブラッククローバー』『マッシュル-MASHLE-』などの人気作が離脱して空き枠があるといえるので、またまた3作ぐらいは残りそうです。

 

……全然今週号の感想言ってませんが、とりあえず黄猿vsルフィも何気に因縁ありますね。

【今週の少年ジャンプ】『キルアオ』と『鵺の陰陽師』で気づく、異なる“ヒロイン”の正攻法

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『キルアオ』(2回目)

来月初単行本のキルアオが早くも二度目の巻頭カラーを獲得しました。当初は『SAKAMOTO DAYS』との“殺し屋”かぶりを心配しましたが、“学園モノ”のポジションに立ったことで事実上の棲み分けに成功した模様。

あとはヒロインの扱いも単なる添え物ではなく、物語の中心に置いたことも良い効果を生んでいる気がします。藤巻先生の絵って、割りと女性キャラも可愛いのに『黒子のバスケ』でも『ROBOT×LASERBEAM』でもそんなに目立ってなかったので、今作はその点でも違いを感じられますね。

 

度々申し上げてますが、個人的にジャンプの連載において“ヒロイン”の扱い方が定まっていない、もしくは雑な作品ほど失敗しやすいと考えてます。インパクト狙いで殺すのは論外として、登場してもしばらく出番がなく、急に増えたりするのもヒロインの役割が不明確なことをさらけ出すので、中途半端に出すぐらいなら、むしろほぼ出さずいたほうが特別感があって有効かなと。

 

……そう考えると、“妖怪モノ”として酷評した『鵺の陰陽師』も半端にヒロインを出すのではなく、続々と登場させたことが“テコ入れ”感がなく人気を集めつつある結果につながっているんですかね?早めに物語に組み込んだほうが、違和感なく別の展開に持っていけますし。

 

キルアオはついでに“バトル系”と思わせて何気にスポーツも組み込むのがやはり差別化になってますね。

今週号は“ゴルフ”ネタ出せましたし、今後のさらなる躍進に期待できますね。

 

【今週の少年ジャンプ】主人公の良き恋愛に欠かせない"友ダチ"キャラ

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『アオのハコ』(2回目)

 

すっかりジャンプの人気連載となったアオハコ。一般人の認知度はまだまだですが、メディアミックスが本格化したらバトミントン・バスケ・青春モノの3視点でそれ相応の人気を集めるでしょう。

てかアニメ化するなら、スポーツ描写にガッツリ力入れたほうがストーリーの良さとの相乗効果を生み出すと思います。しかも2つ分のスポーツで。

 

今週号もそうですけど、ラブコメって主人公の“友ダチ”が地味にいい感じのフォローを行うことがありますよね。ヒロインと主人公の関係を取り持ったり、アドバイスや発破をかけたり、場を和ませたりと、シリアスとコメディの両面で主人公をサポートする個人的に好きな役割のキャラ。

下ネタぶち込む三枚目キャラも、アドバイスくれる性格イケメンのどちらも含めて“友ダチ”って呼んでますが、コイツらがいない恋愛モノはつまらないって思ったりもします。“異世界モノ”とかこういう“友ダチ”なしで、ハーレムが自然発生しますが、どこか陳腐に感じるときがあります。

 

さて話は変わりますが、『ブラッククローバー』が今週号をもってジャンプGIGAへの移籍を発表。……体力的に限界に到達したんですかね?

いや~~何年か前から本誌掲載時の原稿が線画っぽかったり、最近は単発・短期間の休載も増えてましたし、この決断はしょうがないでしょう。誌面は寂しくなりますが、ゆっくりと田畠先生ご本人が納得できる形で完結できるのが一番です。頑張ってください!

 

最後に一つ。今週の『SAKAMOTO DAYS』の花ちゃん回、最高でした!シリアス感が強まっていた中で、久しぶりの家族コメディ回は絶妙すぎます!

 

【今週の少年ジャンプ】ドキドキが続くベテラン作とワクワクが待ち受ける2023作

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つい3週前も集合表紙でしたが、今週号は55周年記念の55キャラ大集合とのこと。ゾロ・サンジ・チョッパーが表紙に出るのは確かに激レアかも……。さすがに人数が多過ぎて中段レベルでも一瞬で判別ができないですね。

 

ONE PIECE』はようやくエッグベネディクト編に戻るとともに麦わらの一味がついに五老聖とコンタクトとるというなかなかの佳境。

僕のヒーローアカデミア』はオールマイトが決死の戦いに挑み、『ブラッククローバー』もアスタが黒の暴牛に帰還など、準ベテラン作以上はどんどん白熱した展開になってます。

 

個人的に当初はあまり高く期待してなかった『アスミカケル』や『キルアオ』ですが、次第に物語に引き込まれつつあります。前作の踏襲が垣間見える川田先生と、ヒット作とは別路線の藤巻先生と全然手法は違いますが、このままなら2023年はお互いに2つ目のヒット連載になるかもしれません。

 

~~~~~ 読切評価 ~~~~~

『GOD ARMS』(Boichi

評価……△

 

Boichiさんがジャンプにカムバックして、見事な画力を披露しましたが、ちょっとやり過ぎ……。比較的オーソドックスなストーリー展開から、ちょっと科学要素入れたのは悪くありませんが、ここまでの濃いめでド派手な絵が続くとなんかアンバランスに感じます。

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【今週の少年ジャンプ】予想を超える予想外の展開が一番面白い!

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『SAKAMOTO DAYS』(2回目)

毎号毎号、驚きの展開や伏線回収で話題になっている『ONE PIECE』ですが、今週のサカモトデイズもファンとしてはなかなかびっくりな事実が判明しました。

物語のキーマン兼ボスキャラとして、坂本太郎と対峙してきたスラーがまさかの死んだ同僚・赤尾アキラと同一人物(?)だと発覚。生存説は少し前から確実視されていましたが、こんな形になるとはまさに予想外。

これから、その経緯や理由が明かされると思いますので楽しみにしたいです。

 

素人考えですが、マンガを作る際ある程度テンプレ設定にすることで、読者にとって“予想通り”になることは、分かりやすさを生むため必要だと思ってます。

難しいのが、テンプレ過ぎると“真新しさ”や“インパクト”に欠けて、ただただつまらないことになるので、どこまで“予想通り”にして、どこを“予想外”にするかは漫画家さんの力量やセンスが問われます。

読者の“予想通り”の展開から、まさかの“予想外”が判明した瞬間は最高に面白いので、今週のサカモトデイズはワンピースに比肩するぐらい見事な手腕を発揮したといえます。

 

~~~~~ 読切評価 ~~~~~

『忍CHAOTIC』(平たくみ)

評価……△

 

読み切りとしてはよくまとまってます。でも、大人しい性格の主人公も、ちょっとやんちゃなヒロインも、舞台設定も、そして何より妖怪モノなのも凡庸です。“忍び”なだけに影が薄いです。

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よっぽど「Jスタートダッシュ漫画賞」の準入選作品の『NIN-JIN』ほうが“予想外”で面白かったです。変な生きたニンジンのコメディかと思ったら、まさかの“忍びのニンジン(忍人)”、なんて……。

【今週の少年ジャンプ】お金と人情で生まれる人気マンガの実写版

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ONE PIECE』(3回目)

Netflix独占配信でまもなく公開となる実写版ワンピース。TVCMなども流れ始めてチラホラ映像を見る機会が増えましたが、個人的な感想は……精一杯頑張っていると思いました。

ルフィが“ゴム人間”と宣言して口を伸ばす有名なシーンなどは、案外違和感がなくて悪くないと感じる一方、バトルシーンでゴムゴムのガトリングの放っている部分は、真剣なのにコミカルに見えてしまうという功罪両面がありました。

まぁ、短いCM映像だけで判断するのも酷なので、あとはネットフリックスユーザーの判断に任せましょう。幸い、映画の興行収入みたいに失敗と判断される数値は出ませんから。

 

人気マンガの実写版が発表、もしくは“失敗”したときによく出る「作者が泣いてる」的なコメントですが、そもそも原作者はなんで実写版に許可を出すのか考えてみると、答えは案外シンプルな気がします。

 

ズバリ「お金と人情」。

お金はまあ版権による収入なので、わかりやすいですよね。実際どんくらい入るのかは知りませんが。

 

もう一つの“人情”については、結局漫画家さんも真っ当なオファーを邪険にはできないということです。

初めて話を聞いたときは“絶対ヤダ”と思っていても、担当者や場合によっては依頼主が直々に訪問して説得を繰り返されてしまえば、これを断り続ける勇気はなかなか難しいのでしょう。

担当者なんかは“説得”が仕事ですから、できなかったら評価が下がりますし、また純粋にファンの心を持っていることもあるので、漫画家が人である以上、完全に逃げ続けるのは色々厳しいと思います。

 

~~~~~ 読切評価 ~~~~~

『殺陣ロール』(小園江ナツキ)

評価……○

 

絵は荒いですが、なかなか楽しめる内容でした。縦ロールの髪を武器として駆使するご令嬢主人公と、妙に気になる“じぃや軍団”にまつわる秘密のオチがグッド。個人的に怒んパッチvsハロンオニのラストを思い出しました。

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【今週の少年ジャンプ】ジャンプ編集部がついに"人気連載作"と"その他"のラインを引いた……

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なぜか先週号で18日(火)発売と予告されていたのに、電子版は今朝から配信スタートしていました。ネタバレを気にする方はちょっとだけ気にしてください。

 

若干レイアウトが特殊ですが、4月末以来の集合表紙なのでこちらから。

 

ーーー 表紙分析 ーーー

・センター『ONE PIECE

・センターライン『SAKAMOTO DAYS』『僕のヒーローアカデミア』『あかね噺』『アオのハコ』『呪術廻戦』

※あかねとアオハコはややサイズが小さめですが、なんと2021年末以来7回連続のセンター左右のヒロアカや呪術と同率のポジション。

 

センターバック『僕とロボコ』『アンデッドアンラック』『夜桜さんちの大作戦』『ウィッチウォッチ』『逃げ上手の若君』『ブラッククローバー

※マッシュルが終わり、ウィッチウォッチが実質入れ替わり。

 

あかねとアオハコ、あと何気に目に入るロボコの人気っぷりが垣間見える表紙といった印象でした。

ーーー ーーー

 

今週号の内容としてはやはりNARUTOの新作読み切りが注目ポイントですが、それ以上に個人的に気になったのが付録のコレ。

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創刊55周年記念「歴代連載陣集合下敷き」ということらしいですが、掲載されている作品を数えてみると103作品が掲載されています。

以前番外編記事で「連載年数2年以上」をヒット作として2000年代と2010年代の連載作品を数えたことがあるのですが、上記の下敷きと比較すると

ピューと吹く!ジャガー』(2010~)

Mr.FULLSWING』(2011~)

エム×ゼロ』(2006~)

PSYREN -サイレン-』(2008~)

SOUL CATCHER(S)』(2013~)

『トマトイプーのリコピン』(2017~)

『アクタージュ act-age』(2018~)

以上の7作品が未掲載でした。

 

……ジャガーは載せるべきでは?という疑問がありますが、少なくとも編集部的にはこれらの作品以外は"連載陣"ではなく"その他"という扱いのようです。ここまでハッキリと区別した例は初めてなのではないかと、ふと思いました。

とりあえず資料的には価値ある付録なので、今後に役立てたいです。

【今週の少年ジャンプ】両さんとロボコ、新旧ギャグマンガの感動話に心が震えた……

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『僕とロボコ』(今年初)

連載3周年おめでとうございます!巻頭カラーがもらえなかった1周年記念から早二年。アニメが放送されて劇場版も決定するなど、ジャンプギャグマンガとしてまさに絶頂期を迎えてますね。

本編は先週からの続きで、ハートフルな友情物語。もちろん感動一辺倒ではなく、ところどころギャグも入り込んだロボコらしい回。これからの展開にも期待したいですね。

そんな中、今週は数ヶ月ぶりにこち亀の読み切りも掲載。しかも、時事ネタ中心の日常回ではなく、軍艦島をテーマにした特別エピソード。冒頭で一瞬、両さんの年齢が発覚したかとびっくりしました……。あくまでこのエピソードだけの設定です。

 

ジャンプギャグマンガのレジェンド「こち亀」と新世代の「ロボコ」が揃って心温まるエピソード回だったのは、なんか個人的にすごい印象深いと感じました。

でも次回は両作品による笑える絡みも読んでみたいです。

 

~~~~ 新連載予想(2023.07) ~~~~

『アスミカケル』………○

連載経験者による作画プラス、最近世間的にはあまり目立たない“総合格闘技”の組み合わせがかなり上手く仕上がっている印象。ぶっちゃけ完全に『ドリトライ』の上位互換状態……。主人公のなよなよ具合や爺ちゃんの容態がどう転ぶか気になります。

 

『アイスヘッドギル』……×

雪国なんで仕方ありませんが、華やかさがない。微妙に設定がチマチマ多いのと、主人公の無邪気が逆に狂気に感じてイマイチ。

~~~ 以上 ~~~

 

▼先日久しぶりにしっかりと番外編を書いたのでよければどうぞ。

tamahachi08.hatenablog.jp

 

【今週の少年ジャンプ番外編】"両さん"、"ボーボボ"…etc. 本当に"最強"なのはコイツら!?有名ギャグマンガ主人公の戦闘能力を考える

週刊少年ジャンプの"バトルマンガ"が長期連載になった際によく指摘される、いわゆる「強さのインフレ」問題。物語が進むにつれて主人公の戦闘能力がどんどん上がり、それに付随してライバルや敵の戦闘能力も青天井になって、物語や世界観にまで影響を及ぼしてしまう現象のことです。

例えば、最初は人と人の"対人戦レベル"で強さを競い合っていたものが、物語の中盤から街を吹き飛ばすような"都市破壊レベル"の強敵と戦い始め、最終的には地球を滅ぼす”惑星破滅レベル”の化け物と対峙する……みたいな。

かの『ドラゴンボール』はまさに、"天下一武道会"などで対人レベルの強さを争っていたのが、終盤には「強さのインフレ」により”惑星破滅レベル”の実力者のオンパレードとなった好例です。

 

というわけで「ジャンプ最強キャラは誰?」みたいなことを考え出すと「星を1つ滅ぼせるか?」という極太いラインが自動的に引かれるわけですが、そんなバトルマンガの"強さ"のハードルを悠々と超えるキャラを時に生み出すのが、今回のお題である"ギャグマンガ"の主人公たちです。

今回は個人的なジャンプ・ギャグマンガ知識の範囲内で、"最強クラス"にふさわしいギャグマンガ主人公たちの戦闘能力について検証したいと思います。

 

①【両津勘吉】『こちら葛飾区亀有公園前派出所

"人類"としての「生命力」はピカイチ!宇宙でも天国でも大暴れ!!

2016年まで40年間、一回も休むことなく週刊少年ジャンプで連載されていた「こち亀」の主人公、両さんこと「両津勘吉」。東京都台東区生まれ、昭和育ちの警察官(※巡査長)という肩書きだけを見れば、ごく普通の"人間"ですが、その"パワー"……とりわけ「生命力」はジャンプ随一です。

警官なのに大小の交通事故を起こす、巻き込まれるのが日常茶飯事というのはほんの序の口。ミサイルや爆弾などの爆発に巻き込まれた回数は数知れずという"頑丈さ"に加え、外国だろうと宇宙だろうと適応し、人形サイズになろうと鳥になろうとも順応し、地獄に落ちてもエンマ大王を従えるそのタフネスは、作中の誰もが脱帽しています。

さらに、怒りが頂点に達したり、お金が絡めばさらにパワーアップ。演習中のアメリカ軍を一人で全滅させたり、サファリパークの猛獣を蹴散らしたり、天国を占領したり、神様にも反逆・捕縛するなど、信じられない戦闘能力を発揮します。

 

上記のような数々のぶっ飛んだ行動から”恐いもの知らず”な印象がある一方、上司である大原部長には基本的に頭が上がらず、同僚の婦警である秋本麗子は怒らせないよう気を使い、親戚の幼稚園児の檸檬に人間として諭されるなど、実はなんだかんだ"人として常識的な感覚"を持ち合わせています。

並外れたパワーを持ちながらも、それを発揮するのはあくまで"金"や"怒り"が絡んだ非常時のみ。平常時の両さんは目上の人に逆らわず、格闘家や猛獣といった自分より強い(と思い込んでいる)モノには挑まないなど、ギャグマンガ主人公ではあるものの、あくまでも「人間離れした人間」にとどまっています。

 

②【斉木楠雄】『斉木楠雄のΨ難

想像を上回る"超能力"で世界を救う!?無敵のポーカーフェイス高校生

2012年から2018年まで連載された「斉木楠雄のΨ難」の主人公でエスパーの斉木。周囲に超能力者とバレないように日々の学校生活を過ごしつつも、厄介なことに巻き込まれそうならその能力を遺憾なく発揮するめんどくさがりの男子高校生です。

斉木は生まれた時から超能力とともに育ち、読心術や透視能力、瞬間移動、念動力、未来予知など、"エスパーらしい力"はほぼ使えます。しかも、それらを日常生活の中で当たり前のように使用してきた結果、それぞれの力を瞬時かつノーリスクで発動できるのが強みです。

とても単純ですが、これは完全にいわゆる"チートレベル"であり、バトルマンガであれば"時間制限"や"呼吸の停止"といったリスクを課してキャラクターを弱体化させる必要があるような能力です。ですがギャグマンガという世界観上、斉木はこうした常識を基本的に無視できます。

 

パンチや、物を投げるなどの物理的な攻撃が絶大なのはもちろんのこと、電撃や発火、凍結、バリアなどもお手の物。テレポートで自分や周囲のものを飛ばすこともでき、記憶操作も"首を瞬間的に飛ばす"という荒技付きで行えます。そして、その想像を上回る戦闘能力には、最終的に"巨大噴火による地球滅亡を時間を巻き戻す力で防いでいた”というびっくり設定が秘められていました。

そんな限りなく無敵に近い斉木ですが、スイーツに目がないという個人的趣向以外に"超能力の暴走"という大きな弱点を持ちます。実は斉木は成長とともに超能力が自身で制御しきれないレベルに達してしまい、普段は頭に玉体状の制御装置をつけて能力を抑えています。

これがないと超能力がコントロール不能状態に陥り、作中でも超天才の兄"斉木空助"にそこを突かれて苦戦しています。また、チートレベルの能力を持つ故に若干油断しがちな部分があり、予想外の行動をとる同級生に振り回されるなど、"経験不足"なのが戦闘面で考えるとマイナスになります。

 

③【アラレちゃん】&【ロボコ】『ドクタースランプアラレちゃん』・『僕とロボコ』

かわいい"ロボット娘"はビームを放つ!機械×ギャグで実質不死身!?

まとめて紹介する形になるのが、ジャンプを代表する新旧ロボット系ヒロインであるロボコとアラレちゃんです。原作を全て把握しているわけではありませんが、なんとなく知る限りではどちらも甲乙つけがたい戦闘能力を見せています。

 

登場時期や時代設定、世界観も異なる両ヒロインですが、共通しているのはいずれも「身も心も人間離れ」している……ていうか「ロボット」であることです。細かく見ればアラレちゃんは"未学習かつ天然"、ロボコは"異常識かつアホ"というベクトルの違いもありますが、結局はどちらもハチャメチャな行動をとります。

機械の体と頭脳を持つことから、その固さを活かして壁をブチ破ったり、パトカーを吹き飛ばしたり、ファ○チキと修行したり、挙句の果てには星や隕石を楽々破壊するなど、もうやりたい放題です。よくも悪くもリミッターがほぼ存在しないため、上記のような極端な行動がとれる意味では人間の主人公たちよりも厄介かもしれません。

 

反面、知能に関しては未熟なところが多いため、スキが多かったり、相手の裏をかくような心理戦が行えず、悪知恵働く敵キャラなどにそこを突かれてピンチになる場面が見受けられます。また、メリットであるはずの強靭な機械の身体は、逆に限度を超えると簡単に破壊されてしまうリスクを抱えています。アラレちゃんはちょこちょこバラバラになり、ロボコもエネルギー切れで細く可愛くなるなど、ロボットキャラは「機械ゆえの限界」が度々露呈します。

 

ボボボーボ・ボーボボ】『ボボボーボ・ボーボボ

地獄も宇宙も関係ねぇ!あらゆる"ルール"を打ち破る毛の貴公子

2001年から2007年まで連載された、皆さまご存知の伝説的不条理ギャグマンガボボボーボ・ボーボボ』の主人公ボボボーボ・ボーボボ、通称ボーボボ。人類の毛の自由と平和を守るため、"鼻毛真拳"を駆使してマルハーゲ帝国の"毛狩り隊"と日々戦うこのアフロ。個人的には"戦闘能力No.1ギャグマンガ主人公"の筆頭候補でないかと考えています。

 

自らの鼻毛を鞭のように駆使して戦うボーボボの"鼻毛真拳"ですが、実際には鼻毛の範疇を超えた技を次々と繰り出して敵を圧倒します。

足を踏み入れた者の精神を解放し、それを拒めば精神が破壊される空間奥義"聖鼻毛領域(ボーボボ・ワールド)"、仲間を取り込んで超強力な融合戦士へと変身できる融合技"聖鼻毛融合(ボーボボフュージョン)"、仲間の身を削って敵に弾丸を飛ばす"ところてんマグナム"、お約束の"バカガード"、"ワキチョップ"や"スリッパの裏でペチペチ"などなど……。

 

上記のような技に加えて、ボーボボには鼻毛真拳とは別に、事実上"敵の攻撃を無力化する"というとんでもない力を持っています。お札で相手を包み1円玉に変えてしまう"ゴージャス真拳"や、身体をねんどのようにグニャグニャにしてオブジェに変える"オブジェ真拳"の攻撃を受けてもふつうに元の姿(?)に戻り、全身を食いちぎられたり、全身の骨が抜かれる技を受けても何事もなく復活するなど、まさにギャグマンガの世界観を体現したような不死身っぷりを作中で見せつけます。

そして、個人的に"戦闘能力No.1"だと思う最大の理由は、ボーボボが他のギャグマンガ主人公と比べて高い戦闘意欲豊富なバトル経験値を持つからです。先述した他のキャラたちが基本的に平和な日常生活に身を置いているのに対して、ボーボボはなんだかんだマルハーゲ帝国という宿敵との交戦状態にあり、いちおう常に命を狙われる戦場で日々を過ごしています。

なので敵(※仲間・一般人も含む)に対して容赦なく攻撃をしかけるほどバリバリの闘争心を持つとともに、バトルにおいてもそれなりに的確な攻撃・防御・回避・戦術を、終始ギャグを入れつつ駆使します。このバトルマンガの主人公と同等のスキルを持つギャグマンガ主人公は案外少数派であり、ボーボボこそ"ギャグマンガの世界観"と"バトルマンガの戦闘力"を兼ね備えた、ある意味では無敵の存在だと考えています。

 

 

以上、個人的な偏った知識からギャグマンガ主人公の戦闘能力を考えてみました。

根本的な話ですが、ギャグマンガ主人公同士のバトルがまともな展開になるわけがないので、誰が最強かは最終的にユーザーが勝手に『J-STARS Victory VS』などで勝敗をつけるしかないと思います。

※ちなみに『JUMP FORCE』にはプレイアブルなギャグマンガ主人公はいない模様……。

 

なお、今回上げたキャラのうち、コラボ作品などで両さんとアラレちゃんはドラゴンボールのキャラと戦ったり(?)ボーボボではありませんが、首領パッチ両さんに戦いを挑んだりはしています。

ギャグマンガ主人公同士が交流すると、先輩・後輩のような上下関係を重んじるメタ発言がよく出るので、たとえ戦っても最終的な勝敗は"なにかしらの配慮"が発生することになるでしょう。

 

結論としては、今回上げたキャラに匹敵するようなパワフルなギャグマンガ主人公が今後も登場することを期待したい次第です。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。