TAMAHACHI08 -official blog-(※旧・大西洋少年ジャンプ総合研究所)

AI召喚術士としての活動拠点&少年ジャンプやアニメ・マンガ等への個人的な意見・感想を発信


【今週の少年ジャンプ】2020年連載組筆頭『アンデットアンラック』が1周年

 

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『アンデットアンラック』が見事連載1周年を迎えました。おめでとうございます!

 

ちなみに読み切り版が掲載されたのは2019年の1月末。当時の私の評価はこんな感じです。

 (以下抜粋)

『アンデッド+アンラック』 (戸塚慶文)

評価……○

主人公・ヒロインともに異能(異常)
というパターンのアクション漫画。

一言でいうと“勢い”がありますね。
ややこしい設定や伏線も少なく、
ストレートで読みやすい。

作画は“並”ですが、キャラや物語に
見合って特別気にならない。

セクハラネタもストレートなのが
ちょっとマイナスですが。(時代流れ的に)


個人的には好みなんですが、
万人受けするかと聞かれると微妙。

 (抜粋終了)

 

読み切り時と比べると、なんやかんやで設定だらけになりましたね。連載なので当たり前ですが。

単なる異能同士のバトルに終わらず、世界のループや知られざるアンディの過去といった展開、そして予想もつかないストーリーが評判のようですね。

 

昨年の連載開始から、人気連載が続々と終了するなかしっかりとジャンプ読者の評価を獲得して、他の新人作と比べて頭一つ飛び抜けた存在になりました。

 

王道バトルマンガではありますが、主人公のアンディが始めから相応の実力者である点で“英雄伝”型ですね。広い意味で『北斗の拳』と同じ。

 

ちなみにヒロアカやブラクロような、少年主人公が成長する作品は“サクセスストーリー”型と勝手に呼んでます。

 

~~~~~ 読切評価 ~~~~~

『能力者いのうさん。』(久下翼)

評価……△

 

超能力ラブコメディ。

作画的にもギャグよりですが、ヒロインがストーカー気味なラブコメ

 

ヒロインのキャラに対して、主人公の圧力が物足りなく感じますね。仮にあくまでもヒロイン押しなら、もう少し画力が欲しいところ。

~~~~~~~~~~~~~~~~

最近よくあるウザかわいい系ヒロインですが、ぶっちゃけ新連載の『ウィッチウィッチ』とかぶってました。

 

超能力と魔法って現代社会設定だとほとんど似た感じになりますよね。

 

さてそんな魔法といえば、来週はもう一つの2020年注目株が連載1周年です。

 

てか2週連続1周年記念って珍しい!

 

 

【今週の少年ジャンプ番外編】非力で純真な暴君コメディ『破壊神マグちゃん』の宣伝

 

今回は『ワールドトリガー』に続く、個人的に宣伝したいジャンプコミック第2弾として『破壊神マグちゃん』の面白さをお伝えします。

※若干のネタバレも含みます。

 

ちなみに破壊神マグちゃんですが、『あやかしトライアングル』『灼熱のニライカナイ』『僕とロボコ』と同時期の2020年6月発売の第29号から連載スタートしました。

 

ちょうど『鬼滅の刃』『約束のネバーランド』『ゆらぎ荘の幽奈さん』が終わり、『ハイキュー!!』の完結間近の時期の新連載陣です。

 

連載開始当初の私のコメントはこんな感じです。

~~~ 過去記事引用 ~~~

ちょっと珍妙な作品が始まりましたね。

まあ、魔王や宇宙人とか特異生物が登場するコメディ系はよくありますが、個人的にはこういうハチャメチャ生物は好きです。

~~~ 以下新連載予想より ~~~

『破壊神マグちゃん』………△

現時点では、ギャグでもバトルでもラブコメにも変換できる予測がつかない作品。逆にいえば、期待値は高い。

作画は並レベルだが、読みやすいので若年・男子層には好まれるかも。

熱心なファンが定着してくれるかは未知数。

~~~ 引用終了 ~~~

 

総じて「絶対当たる!」的な印象はもってませんでしたが、個人的には気に入ってたのでそのまま読み続けてコミックスも購入し、現在に至ります。

 

【破壊神マグちゃんのここが面白い①】

エラそうだけど憎めない小さな破壊神、マグ=メヌエク

主役兼マスコットキャラのマグ=メヌエク(通称マグちゃん)ですが、メンダコのような見た目もさることながら、破壊神や“破滅のマグ=メヌエク”といった異名を持ちながら、悪意がほとんどない性格も魅力です。

 

作者もマグちゃんのことを「中身はネコ」と証言しているように、その言動は動物的な発想かつ、あくまで自分が上位という思考なので、まるでネコマンガを読んでいるかのようなクスクス笑いを誘うほっこり感があります。

 

特殊能力である“破滅の力”を注意されると使用を控え、周囲に迷惑をかけた罰で縄でつるされてもそれを受け入れるなど、まんまネコのしつけのような感じです。

 

この「エラそうで危険だけど、悪気がないので憎めない」というキャラが主役であるマグちゃんの最大の魅力と言えます。

 

【破壊神マグちゃんのここが面白い②】

天然ながらツッコミもこなす頑張り屋ヒロイン、宮薙流々(みやなぎ るる) 

そんな破壊神マグ=メヌエクを見つけ出し、なんやかんやで家に居候させることにした張本人。

 

“破滅の力”を見せつけた謎の生命体にビビるわけでもなく拳でぶん殴り、家に向かい入れて介抱し、納豆を食わせて洗濯物をまかせるその天然ぶりはピカイチ。

 

もちろん一般人なので、異常識のマグちゃんにツッコミを入れ、周りに迷惑をかけないようしつけもする。

 

このボケとツッコミの両面を持ちつつ、実は母子家庭なので普段は一人で生活して、弱音をはかない頑張り屋さん。

 

このアンバランスな2人のやり取りも注目です。

 

【破壊神マグちゃんのここが面白い③】

愛ともたんなる友情とも違う、いわば責任感からヒロインを助けるシーン

マグちゃんは基本的に流々を自分を崇めるべき信徒として見下しています。なので周囲の人間を含めてエラそうな態度で接していますが、同時に上に立つものとしての自覚も兼ね備えています。

 

かつての崇拝者のために破滅の力を駆使したのも、先述した流々の洗濯物を取り込むのも、上位のものとして下位のものの願いを叶えるという責任感から行っています。

 

この責任感からくるマグちゃんの所々の行動が不思議と男らしい。

 

第1話では流々に任された洗濯物を嵐から守ろうと体を張り、花火大会では花火を見逃した流々のために自ら自爆。

自らの下僕にすると決めた捨て犬にしつけと寵愛(体を拭く)を与えるなど、破壊神なのにすんごい男前!

 

以上ざっくりと「破壊神マグちゃん」の魅力をとりあえず主役の2人、マグちゃんと流々を中心にお伝えしました。

 

その他、流々に恋する青春男“藤沢錬”、マグ=メヌエクにライバル心をもつやられ役“ナプターク”、邪神を倒すべく奮闘する中二病くん“イズマ・キサラギ”など、他のキャラクターたちとのやりとりももちろん面白いです。

 

今後もちょこちょこ宣伝ついでに紹介していきます。誠に勝手ながらアニメ化まで期待していますので。

 

多分、深夜とかではなく5~10分ぐらいショートアニメ方式の形になりそう。

 

そういうわけで、来月には第3巻も発売しますので『破壊神マグちゃん』の応援(※具体的にはジャンプアンケートへの票とコミックス購入)をよろしくお願いします!!

 

破壊神マグちゃん 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)
 

 

 

【今週の少年ジャンプ】まさかの鬼門に挑んだ2021年初連載陣のトリ

 

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新連載『クーロンズ・ボール・パレード』(原作:鎌田幹康 作画:福井あしび

 

野球です。なんの変哲もない野球マンガです。

そして、ジャンプおいてはサッカーと並んで鬼門となっているジャンルです。

 

だいたいは「甲子園を目指すために仲間を集め、時には反発や挫折を味わいながら、特訓の末に試合で勝利する」的な物語なのが高校野球マンガ。

 

この過去数年でもっとも過酷な争いが起こっている中で、どんな勝算があって野球マンガに挑んだのが見届けましょう。

 

さて、今週でようやく新連載がひと段落します。新連載予想はまた3話目までが掲載されてから行います。

連載作品がちょうど20作品に収まってますが、改めて連載2年以上が6作しかないのにびっくりですね。

 

以下その一覧

ONE PIECE』1997年34号
僕のヒーローアカデミア』2014年32号
ブラッククローバー』2015年12号
Dr.STONE』2017年14号
『呪術廻戦』2018年14号
『夜桜さんちの大作戦』2019年39号

 

夜桜さん以外、全部アニメ化済み。すでに本誌外ですが、『チェンソーマン』のアニメ化や『鬼滅の刃』テレビ放送2期も決まりましたし、なんだかんだジャンプの盤石っぷりを見せつけていますね。

 

しばらくは新連載はなさそうですし、じっくりとルーキー作品たちを吟味していきましょう。

 

繰り返しますが、私の押しは『破壊神マグちゃん』と『SAKAMOTO DAYS』です。

破壊神マグちゃん 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)
 

 

【持論アニメコラム】知られざる美少女化のパイオニア ③“戦国美少女”の大戦乱時代

 

・過去の記事はこちら

【知られざる美少女化のパイオニア

①三国志から始まった美少女化現象

②原本なき「恋姫無双」の独壇場 

戦国コレクション2 COMPLETE WORKS

戦国コレクション2 COMPLETE WORKS

  • 発売日: 2015/07/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

前回までは「恋姫無双」が「三国志の武将の美少女化」というコンセプトで10年以上前にアニメ・マンガ界に大きなインパクトを残したことをお話しました。

 

しかし、今現在一般的となった「歴史上の人物の美少女化」設定につなげるにはもう一つのムーブメントを語る必要があります。

 

「戦国美少女ブーム」です。

 

2008年のアニメ版『恋姫†無双』放送から数年間、圧倒的なアンソロジーコミックの拡散もあって「三国志の美少女化」は「恋姫無双」の独壇場でした。

 

しかし、クリエイターたちは「武将の美少女化」という妙味なアイデアを使いたい欲求で一杯でした。

その時、おそらく同時多発的に皆が思い浮かんだのがもう一つの“武将の世紀”、日本の「戦国時代」だったというわけです。

 

織田信長豊臣秀吉徳川家康という誰もが知ってる歴史上の偉人から、伊達政宗真田幸村のようなゲームで馴染みある武将など、三国志と同等かそれ以上にインパクトある人物が揃っている「戦国時代」を扱わない手はありませんでした。

 

そして、「恋姫無双」のメディアミックスがひと段落した2010年頃から「戦国美少女ブーム」は、どの作品がキッカケというわけでもなく始まりました。

 

個人的に、比較的早かったと思うのは「戦国コレクション」で、こちらは戦国武将以外の偉人も美少女化したという意味では、今日の「美少女化設定」にとても近い発想で作られていました。

 

ちなみに後にアニメ版が作られた際は、所々名作映画パロディを取り入れた珍作として一部で有名になりました。

 

その他、ざっくり思い浮かぶものとしては『百花繚乱 サムライガールズ』『織田信奈の野望』『ノブナガン』『戦国乙女~桃色パラドックス~』などなど。

マンガなどを含めればさらに増えるでしょう。

 

 

戦国BASARA』はさすがにこの流れの一部に組み込むには無理がありますが、間接的な影響はあるかもしれません。

 

このブーム時はシーズンごとに戦国武将が関係するアニメが放送されていたので、現在の「異世界モノブーム」に似てるところがあるかもしれません。

 

無論、世界観や舞台設定、キャラクターなどに差はありますが、クリエイター視点だと「キャラクター設定、もしくはイメージ形成の手間が若干省ける」みたいなメリットがあったと思います。

 

今の異世界モノだと「世界観設定やそのイメージ形成の手間が省ける」みたいなメリットがあると言われてますし。

 

とにかくこの「戦国美少女ブーム」は「恋姫無双」のような1作品の枠を大きく超えてマンガ・アニメ・ゲーム全般への“美少女化設定”の普及へとつながりました。

 

ちなみに「恋姫無双」を生み出したBaseonも戦国武将版美少女ゲームを送り出しますが、当然これといった話題にもならない結果となりました。

 

続く……。

【知られざる美少女化のパイオニア

①三国志から始まった美少女化現象

②原本なき「恋姫無双」の独壇場

③“戦国美少女”の大戦乱時代

④擬人化との融合で生まれた「艦これ」と「刀剣乱舞」

 

【今週の少年ジャンプ】篠原先生って限りなくギャグマンガに近いコメディ描くよね~

 


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新連載『ウィッチウォッチ』(篠原健太

ざっくり言えば異能力日常コメディ。

今後ほぼ学園生活が始まりそうですが……。

 

ギャグマンガとコメディのギリギリを攻めることで有名(?)な篠原先生らしく、テンポよく笑いが入るとともに、ちょっとシリアスな話も盛り込む手際は相変わらず。

 

人によっては「笑いとシリアス混ぜんなよ」とか思う人もいますが、この笑いとシリアスのバランスがとれてるマンガってなんだかんだ人気が出ますからね。

個人的にはアニメ化して、作家さん独特のギャグが減らされたりするのが一番嫌いです。

 

ぶっちゃけアニメ版『トリコ』とかそんな印象でした。

 

~~~~~ 読切評価 ~~~~~

『カモしれない刑事』(前田良平)

評価……○

 

“カモしれない”というワンテーマのカモ×刑事ギャグマンガ

シンプル目だけど、キャラデサ・表情・動きが見やすくしっかり描けた作画ですね。

 

笑いは、まあ中笑いぐらいの安定感あるネタ。

ピンチヒッターとしては十分な出来。

~~~~~~~~~~~~~~~~

またしても、“ジャンプ、代行の単発ギャグマンガ意外と面白い説”に当てはまる良作でしたね。

 

真面目に電子版限定でもいいから、こういう単発マンガ集めたアンソロジーコミックとか出してほしい。

 

さて、ようやく来週で新連載4連が終わりますが、この時期はもうアンケート順位がガタガタになるから怖い怖い。

 

せっかく人気になりはじめた作品が、こういう新連載連チャンの間に票が流れて、掲載位置が下がって悪循環に落ちいることもよくありますから。

 

ファンの皆様は“票を入れて、コミックスを買う”を徹底しましょう。

 

↓というわけで買って↓

破壊神マグちゃん 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
 

 

【持論アニメコラム】放送開始から今年で20周年。なぜか“全解禁”されないアニメ版『星のカービィ』

 

星のカービィ スターアライズ - Switch

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  • 発売日: 2018/03/16
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突然ですが、この脆弱ブログをご覧の皆様はTVアニメ版「星のカービィ」をご存知でしょうか?

 

アニメ版星のカービィは、2001年から2003年の二年間に渡って放送され、当時の小中学生に強烈なインパクトを残し今でもカルト的な人気を集めています。

 

また、ゲーム本編への影響も多く、“コピー能力時に衣装を着る”、“アニメ版のデデデ城のデザインが採用される”、“ワドルディメタナイトの味方としての登場が増える”などの要素がアニメ版から流用されました。

 

そんな、星のカービィシリーズで決して無視できない存在であるはずのアニメ版ですが、実は2021年2月現在、合法的に視聴することができない状態にあるのです。

 

レンタル版DVDはなく、各種動画配信サイトでも配信されず、セル版DVDも全エピソードを収録しないまま生産が中断されているのです。

唯一VHSは全エピソード収録で販売されていたそうですが……。

 

数年前まではWii向けに配信されてたそうですが、現在は終了。同じくWii用ソフト『星のカービィ 20周年スペシャルコレクション』で3エピソード分収録されてますが、どっちにしても今現在、全視聴できる環境が整っていません。

 

ちなみに数年前、dアニメストアにリクエストしたところこんなリアクションが帰ってきました


いや、ホントに禁書なの?ってぐらい視聴方法が当時からなかったのです。

 

非合法であればYouTubeなどで上がっているので見れますが、ファンとしてはできれば不正アップロードに頼らずに視聴したいですし、関係者には真剣に公式な視聴方法を示して欲しいです。

 

おそらく一番の原因は権利関係かと思いますが、あまりに前衛的なエピソードの数々も少なからず影響しているかと思います。

 

まず間違いなく中国大陸では放送できません……。デデデ大王の言動がぶっ飛んでますし(※“愚かな人民ども”や“ワシは独裁者!”は序の口)、社会風刺(※環境破壊や観光公害)も現実とリンクし過ぎてますし……。

 

でもだからこそ、大人になった今こそ見たいという気持ちに駆られるのです。

 

今年の10月でちょうど放送開始から20年になるので、個人的になんかしらの展開を期待していますが、期待してるだけでは落ち着かないないので、各種配信サイトにリクエストや問い合わせしてみようと思います。

 

▼続編記事はこちら▼

tamahachi08.hatenablog.jp

カービィ★マーチ (星のカービィ OP)

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【今週の少年ジャンプ】誰が主人公かわからない。


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新連載『アイテルシー』(稲岡和佐)

サスペンスですね、学園モノじゃないタイプの。

 

シンプルな質問。誰が主人公?

 

派手な特殊能力も出てないので一見全然ジャンプっぽくはない。果てして今後どうなるか?

 

少なくとも3話目までは様子見するのが新連載を読む際の心がけなので。

 

~~~~~ 読切評価 ~~~~~

『BLACK MILK』(松井琳)

評価……×

 

超能力マフィアアクション。

ヒロアカもどき……。

マフィアって設定しつつ、キャラデサ・舞台・状況のいずれもその必要性がない。むしろ、警察っぽい。

今時、キャラクターの特殊能力を“超能力”って言葉で片付けるのは安易かと。

 

作画は影の描き込みなど、丁寧な仕上がりだが、個性的という印象は薄い。

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

う~ん、今週号は新連載、読切ともに大きな印象はありませんね。

 

新連載もあと2週続きますし、今週はちょっと控えめにします。

 

それではまた。

【持論アニメコラム】知られざる美少女化のパイオニア ②原本なき「恋姫無双」の独壇場

 

前回の記事はこちら ①三国志から始まった美少女化現象

真・恋姫†無双~乙女大乱 Blu-ray BOX

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  • 発売日: 2013/03/20
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前回、アンソロジーをはじめとした「恋姫無双」のコミカライズによって、多くのクリエイターに「三国志の武将の美少女化」というコンセプトが刷り込まれていったことをお話ししました。

 

そんな「恋姫無双」ですが、原作ゲームの発売から約1年半後の2008年夏に、TVアニメ版『恋姫†無双』が放送されます。実はこのアニメも立ち位置は他のコミカライズとほぼ同じになります。

 

というのも、アニメ版『恋姫†無双』はよくある「原作→原作のコミカライズ→アニメ化」というメディアミックスの流れではなく、「原作→オリジナルストーリーによるアニメ化」という形、アニメの原本となるコミックが存在しません。

 

アンソロジーを除いたストーリー仕立てのコミカライズが始まったのもアニメ放送後かつ、物語上の関係もありません。

 

この手法は結果的にクリエイターたちがそれぞれの「恋姫無双」の物語を作っていいという認識を与えるとともに、ファンも「原作通りか否か」というよくあるあら探しにに縛られることなく一連の「恋姫無双」作品を楽しむことができました。

 

ちなみに偶然ですが、前回の連載でたびたび宣伝してた『ストライクウィッチーズ』もまったく同時期に放送されてます。こちらも登場キャラクターが実際のパイロットを元にされているので、美少女化作品の一つといえます。

 

図らずも2008年夏は2つの「美少女化アニメ」が放送され、その後それぞれ異なるベクトルでアニメ界に影響を与えていくことになったのです。

 

さて、じゃあ「恋姫無双」誕生からすぐ美少女化が一般的になったのかというとそうではなく、それまでにはもう少し時間がかかります。

 

この時点では、“美少女化”は「恋姫無双」の印象が独強く、まったく同時期かつミリタリー要素が強かった「ストライクウィッチーズ」以外でそのアイデアを流用するのには、どこかパクり意識が強く、抵抗がありました。

 

なのでしばらくは「三国志の武将の美少女化」である「恋姫無双」の独壇場が続きます。

 

そんな当時、私は友人とこんな会話をしました。

私:「三国志の美少女がありなら、戦国時代の美少女化もありだろ」

友人:「いや~、それはないんじゃな~い?」

 

そのおよそ2~3年後、この言葉は現実となります。

怒涛の「戦国武将の美少女化」ブームが巻き起こりました。

 

続く……。

【知られざる美少女化のパイオニア

①三国志から始まった美少女化現象

②原本なき「恋姫無双」の独壇場

③“戦国美少女”の大戦乱時代

④擬人化との融合で生まれた「艦これ」と「刀剣乱舞」

 

【今週の少年ジャンプ】歴史物の新連載って久しぶりというか珍しい


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新連載『逃げ上手の若君』(松井優征

暗殺教室』松井先生によるまさかの歴史物。

 

でもいきなり断言しますが面白いですよ!松井先生らしいコメディを入れつつ、暗殺教室でも見られたシリアス展開に加え、史実ベースの歴史物語……。

 

前作と大きなイメチェンしつつ違和感がないというのがすごい。

 

ジャンプで歴史物って真っ先に『花の慶次』思い浮かびますが、古いですかね?『るろうに剣心』も歴史物扱いですよね。

 

とにかく昨今、自由に世界観が作れつつ、だいたい中世イメージが定番の異世界モノが量産される中、史実を元に逸脱し過ぎず、独自の物語を組み込むという手間がかかる歴史物を描くその意気込みはすごい応援したいです。

 

ただ、まだまだ続く新連載や昨年のルーキー作品との熾烈過ぎる戦いがただただ不安です!

 

~~~~~ 読切評価 ~~~~~

ツクモギリライフ』(川江康太)

評価……△

 

除霊(?)殺し屋アクション。

えっ?また殺し屋!?

いや、相手が付喪神だから妖怪・幽霊系っぽいですけど。

 

最近、流行りのテーマを融合させるというストレートな発想だけど案外悪くない。

キャラクターデザインがけっこうイラストチックで、女性キャラも可愛い。

 

ただ迫力やインパクトはなにか物足りないかな。ボケとツッコミ時のリアクションも大人しめ。

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

まだまだ新連載が続くので今週はこれぐらいにしておきます。

 

ただ一言。

『地獄楽』アニメ化おめでとうございます!

【持論アニメコラム】知られざる美少女化のパイオニア ①三国志から始まった美少女化現象

 

真・恋姫†無双 Blu-ray BOX

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えぇ、少し前に予告した持論アニメコラムの新連載。

今度のテーマは「美少女化」です。

 

この記事をご覧の皆様は「歴史上の人物が美少女キャラクターもしくはイケメンキャラクターになった作品」と聞いて何を思い浮かべますか?

2021年現在、こんな設定のゲーム・アニメ・マンガはもう腐るほど存在します。

 

しかし、15年程前までは「歴史上の人物の美少女化」なんて設定はほぼ存在しませんでした。そもそも「擬人化」ですらまだ珍しく、「美少女化」なんてものはマニアック中のマニアックなアイデアと誰もが感じている時代でした。

 

そんな時代に「美少女化」をそれまでの「マニアック」な設定から「普通」の設定へと変化させるキッカケをつくった作品が生まれました。

 

その名も『恋姫†無双 〜ドキッ☆乙女だらけの三国志演義〜』です。

 

もう“名は体を表す”とことわざにピッタリのタイトルで、早い話が美少女ゲームです。しかも18禁。つまり、れっきとしたアダルトゲームなのです。

 

なぜ、たかがアダルトゲーム(失礼)がそれまでの常識を覆すような現象を起こせたのでしょう?

 

それは、図らずも多くのクリエイターたちの間で恋姫無双のコンセプトが拡散されたからです。

 

三国志に登場する武将が「美少女化」している設定自体は『まじかる無双天使 突き刺せ!! 呂布子ちゃん』や『一騎当千』など「恋姫無双」以前からありました。

一騎当千 1巻 (ガムコミックス)

一騎当千 1巻 (ガムコミックス)

 

上記の2作はいずれもマンガなのに対して、恋姫無双はゲームが原作です。

この違いが「恋姫無双」を出版社の枠を超えて漫画家やイラストレーターなどのクリエイターたちに拡散させることになりました。

 

呂布子ちゃん一騎当千はマンガであるため、その権利は作者とともに出版社に委ねられます。なので当前ながら他社から同名作品が描かれたり、世界観を共有する作品が作られることはありません。

 

しかし、恋姫無双を制作したゲームブランド「BaseSon」はどこかの出版社に所属しているわけでもなく、原作者も存在しません。そのため「恋姫無双」はコミカライズについては、許驚くほど自由に行われました。

 

例えば、「恋姫無双」シリーズのコミックスはアンソロジーコミックだけでも50冊を超えます。重複していることも考えて、仮に一冊で7人の作家が関わっているとすると、単純計算で350名がこれまで「恋姫無双」を描いたことになります。

 

元がアダルトゲームなのでエロ要素のNGもなく、当時すでに広まっていた典型的な萌え系のキャラクターデザインと合いまって、これだけ大人数の漫画家、イラストレーターが「恋姫無双」に関わることになりました。

 

もちろん同人誌や未発売の作品もあるでしょうから「恋姫無双」に縁のあるクリエイターはさらに増えるでしょう。

 

ともかく、この一連のコミカライズによって多くのクリエイターたちに「三国志の武将の美少女化」というコンセプトが自然と刷り込まれていきました。

 

この刷り込みが後のもう一つの現象へとつながることになります。

 

続く……。

【知られざる美少女化のパイオニア

①三国志から始まった美少女化現象

②原本なき「恋姫無双」の独壇場

③“戦国美少女”の大戦乱時代

④擬人化との融合で生まれた「艦これ」と「刀剣乱舞」